はじめに

『一歩ご飯』~病からの光~

《ご挨拶》

私は16歳になった年、母から『吐けば太らない事』を教えられました。

以来、20年以上“摂食障害”という心の病と闘い続けて参りました。

ゴールの見えない地獄の中、己の命を守る事すら放棄をしようと計画していた私に変化が訪れたのは二年程前。

人との出会いの中で、幼児返りを経験し…自らが自分の母親となり幼い我が身を一から評価する作業を繰り返した結果、私の人生をあらゆる場面で奪って来た“病”から解放される日が訪れました。

“摂食障害”は、100%の完治は難しいと言われている病です。

現実を受け入れ、一年に数回迄減った揺り戻しと付き合いながら…現在の私は『食事』を何よりの楽しみとして日々を生きています。

人前で食事をする事…

大好きなお料理をする事…

誰かにご飯を食べてもらう事…

誰かとご飯を食べる事…

人生においてのあらゆる局面が恐怖でしかなかった日々から、漸く本来あるべき生活を取り戻しました。

“生涯ゴールは無いのではないか”と、死の気配が目の前を過ぎった時…どうか思い出して下さい。

完全なるゴールは無くとも、“完全に限りなく近いゴール”は存在するのだと。

世界で一番の敵だった食と“心友”になれる日が訪れる…そんな可能性が私達の人生には用意されているのだと。

これから、こちらのブログでは日々の手料理写真や簡単なレシピを掲載して行く予定です。

同じ病と闘う多くの方々…

病ではなく食と向き合う方々…

食べる事が大好きな方々…

“一歩”そして“一歩先”を透かして覗いて頂けましたら幸いです。

私は私の人生を終わらせなくて本当に良かった、今心の底からそう思います!!

こんなにも“食”から豊かな人生を教えてもらえたのだから…今の私にとって、お米粒一つがどんな高価な宝石にも勝る“宝物”です

遠野なぎこ

2016.07.11